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大動脈瘤とは?

大動脈瘤は、体で最も太い血管である大動脈の壁が弱くなり、一部が「瘤(こぶ)」のように膨らんだ状態です。大動脈は心臓から全身に血液を送り出す重要な血管で、ここに生じた瘤が大きくなって破裂すると大量出血を引き起こします。破裂した場合の死亡率は非常に高いため、早期発見と適切な管理が極めて重要です。
大動脈瘤は50歳以上の方に多く見られ、特に喫煙者、高血圧の方、動脈硬化のある方などはリスクが高まります。これらに当てはまる方は、症状がなくても一度検査を受けることをおすすめします。気になる方は、神戸市東灘区・御影のひろまさクリニックへお気軽にご相談ください。
大動脈瘤の症状
大動脈瘤は、進行するまで自覚症状がほとんどないため、健康診断や他の病気の検査中に偶然発見されることが多いです。しかし、大動脈瘤が大きくなると、周囲の組織や臓器を圧迫して以下のような症状が現れることもあります。
胸部に生じた大動脈瘤の症状
- 胸痛、圧迫感
- 背部痛
- 呼吸困難、息切れ
- 飲み込みにくさ
- 声のかすれ
など
腹部に生じた大動脈瘤の症状
- 腹痛
- 腹部の不快感
- 背部痛
など
大動脈瘤破裂時の症状
大動脈瘤の破裂時には、以下のような激しい症状が突然現れます。適切な治療が行われないと命に関わりますので、すぐに救急車を呼んでください。
- 激しい胸痛、腹痛
- 吐き気・嘔吐
- 冷や汗
- 急激な血圧低下
- 意識の混濁
など
大動脈瘤の原因
大動脈瘤には生活習慣が大きく影響します。主な原因としては以下が挙げられます。
動脈硬化
最も一般的な原因です。年齢とともに動脈の壁にコレステロールが沈着し、血管の弾力性が失われて硬くもろくなります。主に以下が動脈硬化を促進する要因となります。
- 高血圧
- 糖尿病
- 脂質異常症
- 肥満(メタボリックシンドローム)
- 感染症や外傷による血管壁の損傷
- 喫煙
- 加齢(特に65歳以上)
- 先天性の疾患
- 家族歴(家族に動脈瘤の方がいる)
など
大動脈瘤の検査
大動脈瘤は、以下の検査で発見できることがあります。自覚症状がほとんどないため、定期的な検査で大動脈瘤の発生をいち早く見つけることが大切です。
触診
腹部大動脈瘤の場合、腹部の触診によって腫瘤を発見できることもあります。
エックス線検査(レントゲン検査)
ごく微量の放射線を使って体内を画像する検査です。健康診断でも広く行われていますが、大動脈瘤の状態や生じている部位によっては、X線検査では発見できないこともあります。
腹部エコー
腹部に超音波のプローブを当て、大動脈の直径や形状を確認します。
CT検査/MRI検査
大動脈瘤の詳細な評価に欠かせない精密検査です。CT検査では短時間で全身の血管を観察でき、造影剤を使用することで瘤の正確な位置・大きさ・形状を3次元的に把握できます。
※連携する専門機関をご紹介します
大動脈瘤の治療
大動脈瘤の治療方針は、瘤の大きさ、場所、増大速度、患者様の年齢や全身状態などを考慮して決定されます。
経過観察
小さな大動脈瘤の場合はすぐに手術せず、定期的な検査で瘤の大きさをモニタリングします。
手術
瘤が一定の大きさを超えた場合や急速に拡大している場合、症状がある場合などには手術が検討されます。以下のような術式があり、患者様の状態を考慮して選択されます。
※入院治療となりますので、専門機関をご紹介します
開胸・開腹手術(人工血管置換術)
腹部や胸部を切開して直接瘤にアクセスし、瘤の部分を切除して人工血管に置き換えます。
カテーテル治療(ステントグラフト内挿術)
足の付け根の動脈からカテーテルを挿入し、瘤の内側に人工血管(ステントグラフト)を留置する方法です。ステントグラフトは、人工血管に特殊なバネを取り付けたもので、これにより瘤の破裂を予防します。
開胸・開腹手術に比べて体への負担が少なく、入院期間も短いというメリットがあります。