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やけどとは?

やけど(熱傷)は、熱や化学物質、電気などによって引き起こされる皮膚の損傷です。よくある怪我の1つですが、受傷直後の対応によって回復までの期間や後遺症の程度が大きく変わるため、決して軽視しないようにしましょう。
神戸市東灘区・御影のひろまさクリニックでは、皮膚科専門医がやけどの程度に応じて適切な治療を行います。クリニックでの処置はもちろん、専門機関と連携することで幅広い症例に対応可能ですので、やけどを負った際はできるだけお早めにご連絡ください。
やけどの原因
日常で起こるやけどの原因には、主に以下のようなものがあります。特に家庭内では調理中の鍋・フライパンへの接触や、熱い食べ物・飲み物をこぼすなどの事故が多く見られます。
また、ご高齢の方や小さなお子様は皮膚が薄く敏感なため、軽度の熱源でもやけどを負いやすい傾向にあります。十分に注意してください。
熱によるやけど
- 火: ガスコンロの炎、ろうそく、たき火など
- 熱湯・蒸気: お茶やコーヒー、みそ汁などの熱い液体、炊飯器やケトルからの蒸気など
- 熱い物体との接触:アイロン、フライパン、ストーブなどの熱い表面
- 低温やけど: カイロ、湯たんぽ、ホットカーペット、ノートパソコンなど
など
その他の原因によるやけど
- 日光: 強い紫外線による日焼け
- 化学物質: 強酸、強アルカリ、有機溶剤などの化学物質との接触
- 電気: 感電事故、落雷など
- 摩擦: ロープや床との強い摩擦
など
やけどの重症度と特徴
やけどの重症度は、損傷の深さ(度合い)と範囲によって以下のように分類されます。
Ⅰ度(軽度)
- 特徴:皮膚の最表層(表皮)のみの損傷
- 外観:赤みを帯びた発赤、日焼けに似た状態
- 症状:軽い痛みやヒリヒリ感、水疱(水ぶくれ)はできない
- 治癒期間:通常3~7日程度で自然治癒する
- 後遺症:通常は跡が残らない
Ⅱ度(中等度)
Ⅱ度のやけどは、さらに浅達性(表層)と深達性(深層)に細かく分類されます。これ以降のやけどは治癒後も傷跡が残る可能性があるため、受傷後は早めにご相談ください。
浅達性Ⅱ度
- 特徴:表皮と真皮上層の損傷
- 外観:明るい赤色、水疱ができる
- 症状:強い痛みがある
- 治癒期間:1~2週間程度
- 後遺症:適切な処置を行えば跡は残りにくい
深達性Ⅱ度
- 特徴:真皮深層まで達する損傷
- 外観:やや白っぽく見える、水疱ができる
- 症状:中程度の痛み(※)
- 治癒期間:3~4週間以上
- 後遺症:瘢痕(傷跡)が残りやすい
(※)やけどが深くなると、皮膚の神経が損傷するためかえって痛みを感じにくくなる
Ⅲ度(重度)
- 特徴:皮下組織まで達した重度の損傷
- 外観:白色、赤褐色、黒色などで乾燥して硬い
- 症状:神経も損傷されるため痛みをあまり感じない
- 治癒期間:自然治癒は困難、植皮などの手術が必要
- 後遺症:瘢痕(傷跡)が残ることがほとんどで、拘縮などの機能障害を伴うこともある
やけどの治療
やけどの治療は、その重症度と範囲に応じて異なります。基本的には以下のような流れで対応します。
初期対応(応急処置)
やけどは、受傷直後の対応が予後に大きく影響します。やけどを負ったら、まずは清潔な流水で患部を冷やすようにしましょう。10~15分程度、水温は15~25℃程度が理想的です。
医療機関での治療
医療機関ではより専門的な処置を行い、傷口の回復を早めつつ、後遺症のリスクを減らします。軽度のやけどでも、クリニックで処置を行うことで傷跡が残るリスクを軽減できますので、お早めにご相談ください。
- 傷口の洗浄・消毒:汚れや異物を取り除き、感染リスクを減らします
- 薬剤の塗布・患部の保護:軟膏や被覆材を使用して、最適な治癒環境を整えます
など
重度のやけどの場合
深達性Ⅱ度以上のやけどの場合や広範囲にやけどを負った際は、損傷した組織の除去(デブリードマン)や皮膚移植などの外科的処置が必要となることがあります。専門機関での治療が必要ですので、提携先病院をご紹介します。
受傷時の状況によっては、迷わず救急車を呼んでください。