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高血圧とは?

血圧は、血液が流れる際にかかる血管内の圧力のことです。これが正常の範囲を超えて高い状態が続くことを高血圧と言います。
高血圧による自覚症状はほとんどありませんが、常に高圧のかかった血管は徐々に硬く変化して弾力が失われていきます(動脈硬化)。この状態が続くと正常な血液の流れが損なわれ、全身に様々な悪影響を及ぼします。
高血圧によって引き起こされる病気の中には、脳卒中や心筋梗塞などの命に関わるものもありますので、症状がないからと放置しないようにしましょう。健康診断で血圧の高さを指摘されている場合は、お早めに神戸市東灘区・御影のひろまさクリニックへご相談ください。循環器専門医が最適な治療をご提供いたします。
高血圧の分類と診断基準
血圧は「収縮期血圧(上の血圧)」と「拡張期血圧(下の血圧)」で表されます。前者は心臓が収縮して血液を送りだす際の圧力、後者は心臓が拡張して血液を受け入れる時の圧力です。
一般的に、血圧が140/90mmHg以上の場合に高血圧と診断します。
分類 | 収縮期血圧=上の血圧(mmHg) | 拡張期血圧=下の血圧(mmHg) |
---|---|---|
至適血圧 | 120未満 | 80未満 |
正常血圧 | 130未満 | 85未満 |
正常高値血圧 | 130~139 | 85~89 |
Ⅰ度高血圧 | 140~159 | 90~99 |
Ⅱ度高血圧 | 160~179 | 100~109 |
Ⅲ度高血圧 | 180以上 | 110以上 |
※診察室で測定した場合の数値です(診察室血圧)。家庭で測った場合(家庭血圧)はやや低くなり、135/85mmHg以上で高血圧となります
高血圧の分類と原因
高血圧は、原因によって大きく2つのタイプに分けられます。
本態性高血圧
明確な原因が特定できない高血圧です。生活習慣の影響が大きく、以下のような要因が複合的に関わって発症・進行します。
本態性高血圧の原因
- 塩分の過剰摂取
- 肥満(特に内臓脂肪型肥満)
- アルコールの多量摂取
- 喫煙
- 運動不足
- 過度のストレス
- 睡眠不足
- 家族歴(家族に高血圧の方がいる)
など
二次性高血圧
特定の疾患や薬剤が原因で起こる高血圧です。原因を解消することで、ほとんどの場合で高血圧も改善されます。
二次性高血圧の原因(病気によるもの)
- 腎動脈狭窄
- 慢性腎臓病
- 多発性嚢胞腎
- 甲状腺機能亢進症
など
二次性高血圧の原因(薬剤によるもの)
- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
- 経口避妊薬
- 漢方薬
- ステロイド薬
- 抗うつ薬
など
高血圧が引き起こす病気
高血圧が長期間続くと全身の血管に負担がかかり、様々な合併症を引き起こします。主な合併症には以下があります。
脳血管疾患
脳梗塞
動脈硬化により脳の血管が狭くなったり詰まったりして、脳組織に血液が届かなくなる状態です。重度の場合は命に関わるほか、助かっても手足の麻痺や言語障害などの後遺症が残ることもあります。
脳出血・くも膜下出血
高い血圧により脳の血管が破れ、出血した状態です。重度の場合は意識障害を引き起こし、生命に関わることもあります。
認知機能の低下
慢性的な脳への血流障害が、脳の萎縮や認知症リスクの上昇(約3倍)につながることが指摘されています。
心血管疾患
虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
心臓へ血液を送る冠動脈に動脈硬化が起こることで、心臓が血液不足になって起こる病気です。心臓が酸素不足になって胸痛などの症状が生じる(狭心症)ほか、血液供給が完全に止まると心筋細胞が徐々に壊死していきます(心筋梗塞)。
心不全(高血圧性心不全)
心不全は、心臓のポンプ機能が低下し、体に必要な血液を十分に送り出せなくなった状態です。高血圧状態だと心臓は常に高い圧力で血液を送る必要があるので、この状態が続くと次第に疲弊してしまい、その機能が低下していきます。
高血圧による心不全を「高血圧性心不全」と言い、心不全の原因として特に多く見られます。
大動脈解離
大動脈の内壁に亀裂が生じ、そこから血液が流れ込んで血管の層が剥がれた状態です。激しい胸痛や背部痛が特徴で、緊急治療が必要となります。
腎臓の病気(慢性腎臓病)
高血圧により腎臓のろ過装置(糸球体)に負担がかかり、徐々に腎機能が低下していきます。腎機能が低下すると体内の老廃物を適切に排泄できなくなるので、腎機能が進行すると最終的に人工透析が必要になります。
高血圧の治療と予防
高血圧の治療は、血圧を適切な範囲(一般的に130/80mmHg未満)にコントロールすることを目標とします。患者様の状態に応じて、以下の方法でアプローチを行います。
生活習慣の改善

高血圧の原因となる生活習慣を改めます。初期段階の高血圧(本態性高血圧)であれば、生活習慣を見直すだけで改善できることもあります。
- 過度な塩分摂取を控える
- バランスの取れた食事を摂る
- 適正体重の維持(BMIを25未満に保つ)
- 適度な運動
- 禁煙・節酒
- ストレスを溜めすぎない
など
薬物療法
生活習慣の改善だけでは血圧コントロールが難しい場合や、既に合併症がある場合には、お薬を使って血圧をコントロールします。薬には様々な種類がありますので、患者様の状態(年齢、合併症、副作用のリスクなど)に合わせて適切なものを選択します。